あとがき

『1/fの』後書きとこぼれ話。

半年振りですが、久しぶりに文章を書かせていただきました。
この話のタイトルは「ｆ分の１のゆらぎ」からきています。ご存知の方もいらっしゃると思われますが音響学の言葉で周波数fに反比例するゆらぎのことです。自然の音や、人をリラックスさせる音の響きにはよくこのゆらぎが関係するのだそうです。

↓案の定上手く説明し切れなかったのでリンク
ja.wikipedia.org/wiki/1/f%E3%82%86%E3%82%89%E3%81%8E

あとこの文章で∑様の設定が少し出てきたりもしました。実は彼女についての設定は結構考えていたりするのですが、作品で少しずつ明らかにしていけたらいいなあと思っております。

絵ももちろんなのですが、この文章を読んでくださった方々に、本当にありがとうを申し上げたいと思います。



あとこぼれ話みたいなものをちょこっと。校正作業もあまりしてないので雑で申し訳ないのですが。俺設定文でもある。

↓

 「ところで、女神∑よ」
 「どうした、超越者？」
 「ずっと向こう側を見ておられますが、もし服が濡れるのがお気にならないのなら、もう少し沖に進んでみてはどうですか？少し深みに行くだけで種々の魚が見られますよ」
女神は、波打ち際に佇みながら先程までずっとぼうっと沖を眺めていた。それを気にした超越者が尋ねたのだ。



 「いや、そうしたいと思わないことは無いのだが･･････」
 「が？」
 「服が濡れる云々は余り問題ではなくてだな。それより問題なのは、余りにも深く水に浸かりすぎるとだな、体を纏う電気が水中に分散して――体の力が抜けてしまうのだ。海水の場合、特にひどい。塩水は電気を良く通すからな――。端的に言うと、泳げない。だからこうして波打ち際で波と戯れる程度しか、海を堪能する術が無いのだ。滑稽な話だろう？ルフィナの叡智の化身である素数の女神がカナヅチとは」
 「ええ、とても･･････」



しばし沈黙が訪れ、ぶふっ、と超越者が思わず噴き出すその音によって沈黙は破られる。
 「あはははは！そうですよね、女神はカナヅチじゃいけないとか、そんな法則や定理もないですものね、ああ、もう、あはは、ははははははは！」
伏して体をくの字に曲げ、涙を目尻に溜めながら超越者は腹を抱えて大爆笑している。ツボに入ったらしい。隣で、素数の女神がばつの悪そうな顔をしていた。
 「なるほど、こういう状況の際お主は笑うのか……」